人を抹殺したい心が、すべての人に、いつも善を行いたい思いへと

ルベンは兄弟たちに言った。
「血を流してはいけない。」
創世記37:23(独)

 

互いに、
またすべての人に対して、
いつも善を行うよう努めなさい。
Ⅰテサロニケ5:15

 

 使徒15:4~12
 マタイ5:13~20(通読箇所)
   (ローズンゲン『日々の聖句』7/13;木)

 

     ―――― α&ω  ――――

 

 夢を見る者であり、父ヤコブの偏愛を受けていたヨセフ。
10人の兄たちから妬まれて、殺されそうになりました。
でも、長男のルベンが弟たちに、
「血を流してはいけない」と言って、
ヨセフを殺すことを押し止めたのだそうです。

 

「神の一人のようになり、善悪を知る」者になって、
神の創造の目的から「的外れ」になっている(創世記3:22)
私たちの〔生まれたときからの私〕から出て来る思いは、
嫉妬や怒りで、人を無き者にしよう、
殺そうとする思いなのですね。

 

天の神、【主】は、
そのような思いの出どころである霊、
〔生まれたときからの私〕自身を、
エスが受けられた十字架刑での死刑によって、
死刑が完了しているもの、
死んだものとしてくださっているのだそうです。

 

 そのうえで、死んで墓に葬られ、
三日目、日曜日の早朝、
死人の中から新しい霊のからだに復活し、
天の、【父である神】の右の座に帰られた
エスを通して来てくださる【聖である霊】と呼ばれる方が、
私たちの心に【父である神】の御思いを置き、
書き記してくださるので、
この方、【聖である霊】と呼ばれる方によって、
私たちのうちに
【父である神】の御思いがあるようにしていただけ、
私たちがこの方によって心に来る
【父である神】がしようと思われることをしていくように
していただけるというのですね。(エレミヤ31:31~34、エゼキエル36:25~28、ヨハネ17::21~23、同14:12)

 

すべての人に対して、いつも善を行いたいとの思いも
私の心にも来て。

 

 それで私たちの心には、
この、【聖である霊】と呼ばれる方によって心に来た
【父である神】の御思いと、
自分の〔生まれた時からの私〕から出て来た思いとが
あるようになります。

 

私たちは、〔生まれたときからの私〕から出て来た思いを、
エスの十字架に合わせていただいて
「死んだもの」から出て来た思いであることを認めて、
これをイエスの御前に差し出し、投げ捨てながら、
【父である神】の御思いで生きる生き方をするようになります。
 

 

 【聖である霊】と呼ばれる方によって心に来る
【父である神】の御思いで生きる人たちの共同体(教会)が
始まった時、
メンバーはすべて
ユダヤ人(割礼を受けている人たち)、
ユダヤ教の中で育った人たちでした。

 

それで、異邦人が神の民に加わるには、
割礼(自分の力で神の律法を行い、
神に義と認められる生き方をする儀式)を
受けなければならない、との固定観念
強かったのですね。

 

その固定観念が打ち破られ、
人が神の前に義と認められるのは
エスに対する信頼だけによることが確立した、
エルサレム会議のことをルカは次のように記しています。

 

パウロバルナバエルサレムに着くと、
彼らは教会の人々と使徒たちと長老たちに迎えられた。
それで、
神が彼らとともにいて行われたすべてのことを報告した。
 

ところが、
パリサイ派(律法を守ることに特に熱心なグループ)の者で
信者になった人たちが立ち上がり、
「異邦人にも割礼を受けさせ、
モーセの律法を守るように命じるべきである」と言った。

 

そこで使徒たちと長老たちは、
この問題について協議するために集まった。
多くの論争があった後、ペテロが立って彼らに言った。

 

「兄弟たち。ご存じのとおり、
神は以前にあなたがたの中から私をお選びになり、
異邦人が私の口から
福音のみことばを聞いて信じるようにされました。

そして、人の心をご存じである神は、
私たちに与えられたのと同じように、
異邦人にも聖霊を与えて、
彼らのために証しをされました。

私たちと彼らの間に何の差別もつけず、
彼らの心を信仰によってきよめてくださったのです。

 

そうであるなら、なぜ今あなたがたは、
私たちの先祖たちも私たちも負いきれなかったくびきを、
あの弟子たちの首に掛けて、神を試みるのですか。
私たちは、
主イエスの恵みによって救われると信じていますが、
あの人たちも同じなのです。」

 

すると全会衆は静かになった。
そして、バルナバパウロが、
神が彼らを通して異邦人の間で行われた
しるしと不思議について話すのに、
耳を傾けた。(使徒15:4~12)

 

 

 また、イエスは言われました。

「あなたがたは地の塩です。
もし塩が塩気をなくしたら、
何によって塩気をつけるのでしょうか。
もう何の役にも立たず、
外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけです。

 

あなたがたは世の光です。
山の上にある町は隠れることができません。
 

また、明かりをともしてますの下に置いたりはしません。
燭台の上に置きます。
そうすれば、家にいるすべての人を照らします。

 

このように、あなたがたの光を人々の前で輝かせなさい。
人々があなたがたの良い行いを見て、
天におられる
あなたがたの父をあがめるようになるためです。

 

わたしが律法や預言者を廃棄するために来た、
と思ってはなりません。
廃棄するためではなく成就するために来たのです。

 

まことに、あなたがたに言います。
天地が消え去るまで、
律法の一点一画も決して消え去ることはありません。
すべてが実現します。

 

ですから、これらの戒めの最も小さいものを一つでも破り、
また破るように人々に教える者は、
天の御国で最も小さい者と呼ばれます。

 

しかし、それを行い、また行うように教える者は
天の御国で偉大な者と呼ばれます。
わたしはあなたがたに言います。
あなたがたの義が、
律法学者やパリサイ人の義にまさっていなければ、
あなたがたは
決して天の御国に入れません。(マタイ5:13~20)

 

 

 天の神、【主】によって造られた私たち人間。
神は私たち人間を、
「われわれのかたちとして、
われわれの似姿に」と思って造られました。

 

「われわれ」、
【父である神】、【御子である神】、
【聖である霊】と呼ばれる神が
それぞれ、全知、全能、永遠不変の方でありながら、
自分の思うことをしていくのではなく、
愛において、自由意思で、自発的に、
思いを同じくし、心を一つにしておられる、
その一つに加わり、その一つを
目に見える形で現すものを造ろう(創世記1:26)と。

 

神は、その御思いのとおりに人を造られました。
しかし、人は、その、神から造られた場に留まることを
良しとせず、
もっと素晴らしい者になろうとして、
「神の一人のようになり、善悪を知る」者になって、
自分一人で事の善し悪しを決める者に
なってしまいました。(創世記3:22)

 

造り主である神に対立、対抗する、
創造の目的から「的外れ」な者に。
ちょうど、塩気を失った塩が、何の役にも立たず、
外に投げ捨てられ、踏みつけられるようなものに。

 

しかし、天の神、【主】は、
そのような私たちをなお大切に思ってくださって、
造られた本来の位置に取り戻すことを計画されました。

 

それは、【御子である神】が
人間イエス(神、【主】は救いという意味)となって
人の世に来られ、
すべての人間の身代わりとなって、
すべての人間の「的外れ」の責任のすべてを
ご自身の身に負い、
「神に呪われたもの」となって十字架刑での死刑を受ける、
というものでした。

ご自身が死刑を受けられることによって、
すべての人間の死刑が完了したものとするために。
罪を犯した者はその罪にふさわしい刑罰を受けるという
律法の要求を全うして。

 

エスが死刑を受けられたことによって、
私たちすべての人間の死刑が完了し、
聖である方が私たちに来られても
私たちが滅びてしまわないようにしてくださいました。

 

それで、いよいよ、
約束の【聖である霊】と呼ばれる方が私たちに来て、
私たちの心に【父である神】の御思いを置き、書き記して、
私たちのうちに【父である神】の御思いがあり、
私たちを
【父である神】の御思いで生きるようにしてくださる道が
開けました(エレミヤ31:31~34、エゼキエル36:25~28、ヨハネ17::21~23)。

 

私たちを、塩気を取り戻した塩、
世の光、暗闇を照らす明かりとして用いようと。
人を殺す(存在を否定する)者であった私たちの心に、
すべての人に対して、善を行いたいと思う
【父である神】の御思いを置いて。

 

律法学者やパリサイ人(自分の努力で律法を行い、
神に義と認められようとする人たち)のように
表面だけ律法を守っているのではなく、
心から、神と思いを一つにして、
神がしようと思われることをしていく、
律法を成就する者に。

今日も。

 

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